帯封
わらしべ長者
開始:2008.04.10
手法:証券取引
原資:100万円
世界市場が混沌の幕を開けた5月、国家財政の虚偽申請と言う財政問題とパレスチナと言う地政問題が再燃した事に起因してリスク懸念が深化した。
前者の問題は、破綻と言うキーワードに動揺が生まれこれまで安定と信頼を築き続けて来たEU連合の中で疑心暗鬼が生まれた。
その中でも国家経済に流動性を欠き財政難が囁かれて来たPIGSの存在にEU連合存続の危機の要因が浮上した。
後者の問題は、人類が存在する間に解決を見る事は無いと考えられている人類史的な規模の問題であるが、パレスチナ自治区ガザへ支援物資を輸送していた支援船団にイスラエル軍が制圧行動を起こし多くの犠牲者を生んだ。
他方で「民主主義」の性格が著しく歪められ現政権対前政権支持者と言う構図で多くの犠牲者を生んだ暴動がアジア圏においてもその暗い影を落とした。
我が国日本においてもメディアから伝え聞く報道の多くは悲劇とも取れる痛ましい事件が多く、経済の停滞や不況が生む多くの弊害が現実に目の前に在る事を実感させられる。
市場経済の導入による健全な競争によって安定的な成長を伴う事がこれらの弊害を減らす重要な対処法となるが、IT技術の発展とITネットワークの拡大によってそれらに連関する地域性、延いては社会性が欠如してしまったが故の弊害を取り除く事には至らない。
人と人とが相対するコミュニティと言う社会こそが市場経済の健全な競争を生む源泉となるが、現代の市場経済は擬似経済、擬似通貨をも価値創造の対象と見る傾向が強く、国家行政の政策が完全に機能しなければ健全な競争を生む事が困難な時代と言えるのかもしれない。
新産業の発掘にも限界が見えニッチで得られる利益も限定的な現代において特定の誰かが得をすると言う志向は排除すべき志向ではあるが国家と言う枠組みと国境と言う線引きによって識別される国家と言うコミュニティの単位にあっては資源の奪い合いと言う志向が最大級の存立要件となって温度差を生んでいるのも事実である。
これらの差異が国家間のみならず個人と個人の間でも取り行われ続ける間は人類の成長を見る事は無いのかもしれない。
古代においては資源を奪い合いながらも人知の知覚に大きな関心を持ち人間の根源的概念を提起し存在と不存在、正義と悪、道徳や倫理を重んじ現代への礎を築いたが現代に生きる我々は後世に何を残せるのだろうか…

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